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会社の規模によって、人事業務を単独で担当している人もいれば、採用・労務・研修・労務・衛生などと細かく役割が分かれていて、そのどこかに所属している人、あるいは人事全般と労務全般を兼務している人や総務まで任されてしまっている人など、そのスタイルは千差万別だと思います。共通して言えるのは、「みんなそれなりに忙しい!」ということ。そこに「産業医の件はどうなってる?」と上司や社長に突っ込まれたら、どうしていいかわからなくなってしまうのはとても共感できます。
この記事にたどり着いた方は、「うちの会社ってそろそろだと思うんだけど、本当にそうだっけ?」「選任しないと罰則があるって聞いたけど、どんな罰なの?」などを確認したい方だと思います。
このコラムでは産業医の選任と罰則についてわかりやすくお伝えしていきます。簡単に言うと、ここではとにかく「50」という数字だけを覚えておいてください。
まずは産業医の選任です。1つの事業場につき50名以上の従業員が働いていれば、嘱託の産業医が1名必要です。ここでいう「事業場」というのは、労働者が作業を行う施設や場所、またはそれらの集合体のことを指します。具体的には、工場、オフィスビル、倉庫、店舗、建設現場、農場、漁場などが挙げられ、同じ会社でも支社や支店など一つずつを1事業場と数えます。
例えば、東京本社に60名、福岡支社に51名、倉敷工場に90名在籍していたら、それぞれの事業場にそれぞれ1名ずつの産業医が必要ということになります。
ちなみに、
1つの事業場に50〜3000名の従業員がいる場合は、”1名以上”産業医を選任する必要があります。
1つの事業場に3001名以上の従業員がいる場合は、”2名以上”産業医を選任する必要があります。
産業医の選任義務があったにもかかわらず、選任していなかった場合は労働安全衛生法違反ということで「50万円以下の罰金」となります。もう一つの「50」はここで出てきます。
例えば、現在募集をかけている工場の従業員が48名で、3名を一気に採用する計画があるなら産業医選任の準備をしておきましょう。採用したら51名となり、産業医が必要になりますよね。そこから「14日以内」に選任しなければいけないからです(労働安全衛生規則 第13条より)。選任したら、今度は選任報告書を作成し、所轄の労働基準監督署長に提出します。ちなみに、仮に今産業医を選任されていて、その方を交代する時も労働基準監督署への届出が必要です。
次回のコラムでは、自分で選任報告書を作成して提出するまでの流れを書こうと思います。